所信

第56代理事長
関東 英之
はじめに
「僕はアゴもパンチも弱い だから勝てるんです」
これはボクシング元世界スーパーフェザー・ライト級チャンピオンの畑山隆則氏がとあるインタビューの中で語った内容です。高校時代、ボクシングに打ち込んだ私にとって、このフレーズは今でも時折思い出す大切な言葉です。
人は、己の弱さ知り受け入れることで、その弱さを力に変えるために鍛錬を重ね、強くなります。自分自身を認め、深く知って初めて、強くなるための一歩を踏み出します。
守りたいと思う人やモノがあるから、人は強くありたいと願い、自己成長のチャンスを求め続けます。愛する故郷を、そこに住まう大切な人の笑顔を、紡がれる想いを守るために、強く成長し、力強く一歩を踏み出しましょう。
創立55周年の歩みと感謝の思い
地域社会の正しい経済発展を目指し1971年に発足した天童青年会議所は本年で創立55年目を迎えます。私たちが今なお地域と向き合って活動出来ているのは、連綿と紡がれてきた青年会議所の運動に対し、発足当初から高い志と強い想いをもって取り組んでこられた先輩諸氏と、活動にご理解ご賛同いただき手を取り合っていただいております行政や関係する各諸団体のみなさまのご協力があってこそだと切に感じております。私たちは、これまでの先人から紡がれてきた想いを受け継ぎ、仲間と互いに切磋琢磨しながら成長し、誰もが安心して幸せに住み暮らせる地域の未来を見据えて行動をおこしていかなければなりません。時代とともに変容する地域課題に真摯に向き合い、各方面と手を取り合いながら地域のリーダーとしてさらなる高みを目指し、ONE TEAMとなって運動を展開してまいります。この節目の年に、これまでの感謝の思いをお伝えする場を設けるとともに、地域と共に在り続けるために、新たな価値を創造する団体として一歩を力強く前へ踏み出すことをお約束いたします。
心に響く体験がもたらす郷土愛
私が小学校の頃に、東京から同学年の生徒達を招き、一緒に体験学習をしながら交流するという地域の恒例行事がありました。初めはとても緊張しながらも徐々に打ち解け、みんなで話に花を咲かせて、自然と口角が上がっていったことを覚えています。日程の中にはキャンプもあり、沢が流れ木々に囲まれた場所で一からテントを立てて料理をし、自然の中で新たに出会った友達と語り合った思い出はとても楽しい記憶として私の中に残っています。そんな経験のおかげで、私は豊かな自然の中で過ごすことが好きになり、東京の大学に進学し都会の魅力や文化にも触れさせていただきましたが、卒業する頃には、天童というまちの四季折々の自然とともに在りたいと思うようになっていました。私たちの何気ない暮らしの中で、当たり前に思っていた場所や経験が非常に魅力的であったということに改めて気づくきっかけになり、これは現在の私を形作る原体験となりました。天童と言えば「将棋駒といで湯とフルーツ」という認知度が高いことは既知の通りではありますが、豊かな自然により多くの恩恵を受けていることも忘れてはなりません。都会にはない地方ならではの魅力を未来へとつなぎ、多様な体験が土台となって市民の心を動かし、郷土愛溢れるまちを共創してまいります。
地域とのパートナーシップで生まれる価値
青年会議所という組織は、単年度制であり一年単位で組織内での役職や役割が変わります。一年という限られた時間の中で、地域社会に必要とされる団体となることは簡単な事ではありません。天童青年会議所としての価値を高めるためには、結果として自己満足で終わる事業ではなく、地域に必要とされる事業を展開し続ける必要があります。青年会議所はまちをより良くするための種を蒔くことが出来る団体です。青年会議所ならではのネットワークを駆使し、行政や関係する各諸団体、地元に根差す企業などのパートナーと連携するとともに、地域資源を有効に活用した天童の新たな価値を模索し、交流人口を増やすことで、まちの活気を高めにぎわいの溢れるてんどうを共創してまいります。
誇りある将棋のまちへ
私たちが住まう天童市において、江戸時代から始まったとされる将棋駒産業はまちの発展に大きく関係してまいりました。街中のいたるところに将棋をモチーフにしたモニュメントやオブジェが設置され、街ゆく人々を楽しませており、天童の将棋駒はまさにまちのシンボルとして日本全国多くの方に認知されています。昨年、私たちは伝統と格式ある事業として続く全国中学生選抜将棋選手権大会を、第45回記念大会として開催させていただきました。「青少年の健全育成」「将棋人口の拡大」「地場産業の発展」という3つの理念をもって開催されるこの大会は、他の大会とは一線を画すものとなっています。礼儀・礼節を重んじ、全国から集う選手同士が交流の中で友情を育み、思い出を共有することは選手たちにとってかけがえのない体験となり、天童の将棋という文化を全国各地へ押し拡げる一助にもなっていると確信しております。私たちはまちの魅力として誇れる将棋という文化を発信し続ける責務があります。時代が移り変わっていく中で、様々な方法を模索し伝統と格式を守りながらも、柔軟な発想と楽しみをもって誇れる将棋文化を通したまちづくりを推進してまいります。
尊敬し合える仲間とともに
私には、青年会議所に入会しなければ出会えなかったであろう尊敬できるメンバーが大勢います。誰にでも分け隔てなく親身になって話を聞いてくれる人、いつも話題の中心で笑顔の起点となっている人、自分の信念を曲げずに貫く勇気をもった人、他にも晴らしい魅力や価値観を持った仲間がこの組織にはいます。昨年度、私は山形ブロック協議会に出向させていただき、会員拡大実行委員会の担当副会長として県内各地青年会議所の会員拡大に携わってまいりました。全国を見ると会員数減少によって、自分たちが思い描く事業を行なうことが困難なLOMや存続の危機にあるLOMもあります。かくいう私たちも、これから3年以内に現メンバーの半数近くが卒業を迎えます。青年会議所は、尊敬し合える仲間と苦楽を共にし、地域の未来を描いて本気になって活動出来る組織です。拡大活動は一人で成し遂げられるものではなく、時には地道に泥臭く実行していかなければなりません。健全な組織運営と組織の存続を真剣に考え、メンバー1人ひとりが当事者意識をもって、全員で会員拡大に取り組む風土を醸成してまいります。また私たちはJAYCEEである前に、高い意識と情熱を持った社会人です。様々な活動や日々の行いを積み重ね、周りの方々からも尊敬される青年経済人とならなければなりません。地域のリーダーとして、他の模範となる言動や立ち振る舞いにおいても品格を高め、個々が活き活きと能動的に輝ける魅力ある組織を目指してまいります。
まちとチームをつなぐ架け橋となれ
天童青年会議所は、全員でビジョンを共有し、目的を達成するために委員会やグループが設置され、それぞれ役割をもって日々の活動に取り組んでいます。組織が円滑に機能するためには、細やかに気を配って個々をつなぎ、そして委員会をつなぐ役割を担うコミュニケーションが鍵となります。メンバーが情報を共有し意思疎通を図ることで、一人ひとりが積極的に楽しみながら活動できる基盤を強固なものとしてまいります。
また、世界中に存在する青年会議所は山形県内だけでも天童青年会議所を入れて15のLOMがあり、私たちと同じ理念と使命をもって運動に取り組まれています。私の社業において、同じ仕事をしている会社でも、お客様へのアプローチの仕方など、自社では行っていない取り組みをしている話をお聞きし、とても参考になることがあります。私たちが一人の青年経済人としても、組織としても、さらに成長するために、LOMの垣根を越えて横のつながりを強固にすることで、地域課題の解決に向けた一助となる機会を創出してまいります。
天童JCブランドの発信
私たちは先輩諸氏の想いを受け継ぎながら、歩みを止めることなく地域の課題に向き合った価値ある事業を数多く行ってまいりました。私たちにしかできない事業が、市民に認知され共感や愛着心をもたらし、天童青年会議所としてのブランド価値に繋がっていると信じています。時代の変化とともに、様々な情報に触れることが容易になった今、私たちが行っている運動をどのように広く発信するのかが重要になっています。ホームページやSNSを活用した広報活動が当たり前となり、そのメリットは多くの方の目に触れやすいこと、そして情報発信の迅速なスピード感にありますが、ニーズやタイミングが違えば価値のない情報となってしまいます。私たちの行っている運動が多くの市民の共感を得て最大の効果が得られるよう、魅力のある情報をタイムリーに発信し続け、青年会議所のネットワークや仕組みを最大限活用し、幅広く天童JCブランドを発信する方法を模索し、アップデートしていくことで、これまで以上に地域社会から愛着を持っていただける組織を目指してまいります。
公益法人として規律ある会議体を
地域社会全体の利益を考え運営される天童青年会議所の運動は、正会員からの会費を主な財源とし公益性と透明性をもって行われています。より高い運動効果を生むためには、定款や諸規定に基づいた会議体運営による出席者が主体性を持って参画できる環境と、公益法人会計基準に則った財務運営、そしてコンプライアンスの遵守が重要になります。昨今、世界情勢の目まぐるしい変化に伴って地域の状況も変わってきています。的確に現状を見極め、規律ある会議体の中で地域の未来を思って意見を交わし合い、限られた資金の中で最大の成果を追求し価値ある運動を展開してまいります。
自己成長のチャンスを掴め
他の団体にはない青年会議所のメリットは機会の提供と成長の機会があることです。メンバーの皆さんが青年会議所に入会された理由は何でしょうか。おそらく、自ら進んで入会された人はそんなに多くないはずです。私自身も、当時の先輩方からお誘いを受け、よくわからないままに知り合いが増えたらいいなという程度の気持ちで入会しました。青年会議所には「青年が社会により良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する」という使命があります。理事者となって事業を構築することでマネジメントを学ぶ、各種大会に参加し様々な人と交流し人脈形成やコミュニケーション能力を向上させるなど、自分の意識次第で取り組み方は変わります。また、LOMの中だけにとどまらず、出向によって置かれた立場や状況の異なる様々な価値観に触れることは、自分の可能性を大きく広げてくれるものです。至るところに転がっている成長のチャンスを積極的に掴み、自身が青年会議所で何を得て、どのようになりたいのかを意識することで、青年会議所の活動がこれまで以上に楽しく面白いものとなることを確信しております。
むすびに
みなさんは、何のため、そして誰のために青年会議所で活動していますか?
自分の時間やお金を費やしてJC活動に取り組む意味について、改めて考えたことはあるでしょうか。
私が天童青年会議所に入会してから早8年が経ちました。その時間の中で様々な役職や立場を経験させていただき、たくさんの出会いに恵まれ、今、この場所に立たせていただいています。
私たちは40歳までの限られた時間の中で、成長の機会を掴み、出会いと成長を繰り返しながら、卒業後の自分のストーリーをさらに輝かせなければなりません。青年会議所の本質は、こうして成長した自分を「まち」や「ひと」に還元していくことにあると私は考えています。
まだ見ぬ未来の笑顔をつくるため、多くの出会いと経験を通じて自分自身と向き合い、強く成長し、自分にしか歩めない、自分だけのJCを探していこうではありませんか。
青年らしく爽やかに、しなやかに、守りたいものを守れるよう、未来に向けて共に走り出しましょう。
彩りある笑顔で未来を描き
自分の可能性を信じて何事も楽しく面白く
笑顔と希望で満ち溢れ、誰もが輝ける未来へ!
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ご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
TEL:023-653-6413
FAX:023-654-4180
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