理事長所信

所信


公益社団法人天童青年会議所
2024年度理事長 片桐 一樹

はじめに

 これから 20 年後、皆さんの隣には誰がいるでしょうか。
今私の近くには大事な家族や同僚、仕事仲間がいます。そしてこれまで出会い、あるいはこ れから先の未来でつながる多くの仲間がいます。その輪の中には、大人になった私の子ども たちもいて、皆で肩を並べて、天童の明るい未来へ向けて共に語り合っています。この仲間 たちの多くは青年会議所の縁によって結ばれ、彼らを一生の友と呼べる、そんな人生を歩ん でいきたいと思っています。
2017 年、私は天童青年会議所に入会しました。当時の私は帰郷して間もなく、毎日目の 前にあることで精一杯で、とても天童の未来を考えるような人間ではありませんでした。入 会後は多くのメンバーから声をかけていただき、同期や先輩との新たな出会い、とにかく多 くの時間を市民やメンバーと過ごし、活動全てが楽しいものでした。その後、今日まで毎年 異なる立場を経験する毎に、人との新たな出会いがありました。時には、失敗を重ね何度も 事業を投げ出したくなりました。それでも仲間たちと支え合いながら活動していくにつれ、 いつしか「誰かのために」行動したいと思うようになりました。どんなに辛くて苦しい経験 だとしても、自分と仲間をそして未来を信じて行動し、最後には自分の中に未来への positive change が刻まれてきました。私にとっての青年会議所運動は、希望そのものです。
希望とは、誰かを信じられるということ
目の前の人間を信じられるという喜びを感じながら、今こそ明るい未来を信じぬき
好奇心をもって突き進もう

選ばれるまちを目指して

 天童市は、商工観光分野の積極的な取り組みや行政サービスの充実により、住みよさラン キングやふるさと納税額において全国で上位に位置し、日本各地から注目されているまち です。将棋といで湯とフルーツの里と呼ばれるように、地域に根差した資源は天童市に住ま う私たちの日常の中にあり、魅力に気づきにくいことがあります。地元の人々にとって当た り前でも、県外からは貴重と捉えられた体験は誰しもあると思います。この価値観の差にこ そ、新たな地域の魅力発信の可能性を秘めています。これまで天童市内で完結していた事業 を一度天童から飛び出して集客力のある土地へ持ち込み、まだ見ぬ多くの人々にこのまち の魅力を広く認知してもらう機会を創出します。
また、人口減少が進行する中で、今後は交流人口や関係人口の拡大がより重要となり、コ ンパクトシティを掲げる天童市は、関係人口の創出に最適な地域であると考えます。まずは 天童に関わる人々を増やし、関わった人々がまちを訪れ、訪れるうちに魅力的と感じてもら い、てんどうのファンを拡大します。特に、若い世代からの支持を重要視し、これからを担 っていく世代と共に天童市に関わりたい、住みたい、戻って来たいと思うまちをどうつくっ ていくか考える機会を創出します。

将棋の聖地、新時代へ

 織田藩が天童に城を移し家臣に将棋駒作りを内職として奨励した 1831 年から栄えた天童 の将棋文化は現在まで受け継がれ、将棋にこだわったまちづくりを展開してきました。天童 青年会議所も天童市、日本将棋連盟との共催で全国中学生選抜将棋選手権大会を開催して きました。40 年以上の歴史を重ねる過程で、「青少年の健全育成」「将棋人口の拡大」「地場 産業の発展」の理念のもと、全国大会における「中学三大大会」「将棋界の甲子園」「プロ棋 士への登竜門」と数々の異名をもつ伝統と格式高い全国の中学生が憧れる大会へ成長して きました。
また、本大会は三大大会の中で唯一、中学生棋士たちの交流が盛んであるという点も特色 といえます。全国各地から集まった選手たちが将棋に明け暮れ、互いに友情を育み、プロに なってからもライバルや友人として関係が続きます。これまで大事にしてきた中学生棋士 ファーストをより強く推進し、中学生時代のかけがえのない想い出となる大会を運営して まいります。
大会出場後プロ棋士となられた選手が、日本将棋連盟の審判団や大会サポーターとして 本大会を支援しています。将棋界から評価されているこの大会をより多くの人々に認知し てもらえる大会を模索します。各界関係者のご尽力で、天童市はいつしか「将棋のまち」か ら「将棋の聖地、天童」と呼ばれるようになりました。今年で第 45 回目を迎える記念大会 において、将棋の聖地ならではの進化した大会を実現します。

組織の顔

 天童青年会議所は結束の固い素晴らしいチームです。これまで築いてきた強いチームワ ークをさらに強固なものにし、長い世代に渡って継承していく必要があります。メンバーの 増加と共に各々の境遇も多様化しています。お互いの立場を理解し補い合い、一人ひとりの 居場所として天童青年会議所を選んでもらえる風土づくりを進めます。
一方で多様な価値観を受け入れながら、組織をルールのもと健全に運営していく必要が あります。市民から見られる立場を自覚し、組織の顔として規律ある組織運営を実現します。 運営メンバーが率先して各委員会をリードしまとめることで結束が深まり、正しさだけで はない、楽しさも重要視した組織を作ります。
また、これまで私たちは、社会福祉協議会との協定をはじめ有事に備えた協力関係を諸団 体と構築してきました。近年想定を超える自然災害が発生していることから、防災に対する 市民の関心が高まっています。万が一災害が起きた時、被害を最小限に食い止める減災の意 識も重要です。関係諸団体と顔の見える関係を深め、万が一の時には最も初動が早い、地域 の防災減災を先導できる組織を目指します。

共感の連鎖

 私たちが日々展開する運動は、市民から共感を得られているでしょうか。「誰かのために」 継続してきた青年会議所運動は確実に市民へ伝わっていると私は確信しています。今後共 感の輪をさらに広げていくことで、天童青年会議所のブランドというものが確立されていきます。
運動を作っていく中で、構想している事業がより市民へ届くにはどうしたらいいか、私た ちは参加者の権利を重視したロバート議事法に基づき議論を重ねています。そして、必ず参 加者総意のもとで数多くの決断を繰り返します。私たちは、ビジネスやまちづくりにおいて 重要な決断力を磨くことのできる環境に身を置いています。今後も青年「会議所」として、 一定のルールを設け、妥協なき議論を重ね、地域活性化や課題解決に寄与する運動が生まれる場を運営してまいります。
また、多くのプロセスを経て実行された事業が地域にどのように評価されたか、組織とし てどんな効果があったかを検証する機会が必要です。実行した事業を振り返ることで、市民 の記憶に残る運動となり、天童青年会議所が地域から求められる組織となるよう価値向上を進めます。
また、皆が想いをもって作り上げている組織や運動を市民に発信することも重要です。 SNSの多様化や発信のスピードが日々向上する中で、鮮度の高い情報発信が必要であり、 必ず市民に届くものでなくてはなりません。一方的な発信ではなく、市民の声やニーズを拾 い、双方向でコミュニケーションを図る組織を目指します。

連携によって生まれる新たな可能性

 これまで天童青年会議所は行政をはじめとする関係諸団体から信用をいただいているか らこそ運動ができています。持続可能な組織となるよう、今後は共に活動する機会を増やし、 更に信頼を重ねていく必要があります。特に、創立当初から他団体と互いを思いやる風土を 醸成してきた運動は、常に声の掛け合える関係性を維持し、将来に渡って協力関係を継続してまいります。
青年会議所運動は市民の意識を変革する目的で活動しています。市民の気持ちを動かす には、これまでの発信力に加え、JC 運動に対する共感が重要です。私たちの想いを人々に 直に届け、市民が今求めていることを私たちに届ける、対話の場を通して共感の輪を広げま す。市民と青年会議所、双方向でコミュニケーションを交わす機会を創ります。時代に即し た市民目線での事業を計画実行でき、まちの人々から私たちの行動を正しく評価される組織を目指します。
また、天童市内では私たちの事業以外にも市民の心を動かしまちの活気を創出する素晴 らしい事業が多く展開されています。私たちはこれまで構成される実行委員会メンバー、あるいはサポートメンバーとして各事業に携わってきました。コロナ禍が明け、ようやくお祭 りをはじめとする集客を想定した事業も本格的に再開されている中、各事業へ能動的に参 画し、各諸団体と強い協力体制を構築します。

憧れの青年経済人となれ

 地域を先導するべく、私たちはまず人として成長することが重要です。人として成長して 初めて、リーダーへと進化することができます。青年会議所を卒業する 40 歳という年は、 四十不惑(しじゅうふわく)といわれるように、自己の学びを絶やさず、惑わず進むべき道 を確信する人生の新たなスタート地点です。青年経済人として、また JAYCEE として、自 分の可能性を広げる学びの機会を創出します。
また、40 歳までの限られた時間で、共に学ぶ同志の存在は苦しい時の大きな支えになり ます。より多くの青年経済人に出会い耳を傾け、まちをより良くしたいという志を同じくす る新たなメンバーを組織一丸となって拡大してまいります。数多くの想いを集めることが できれば、必ずまちを変えられる運動をつくることができます。
迎え入れた新たなメンバーの資質向上を図り、互いに切磋琢磨し友情を育む環境づくり も重要です。青年会議所が提供する多くの機会を確実に掴んでいくことで、これまでとは何 かが違う自分を実感できます。自己成長を遂げたメンバー同士が、次は他の誰かに成長の機 会を与えられるよう、会員の意識向上を図る機会をつくってまいります。

かつてない未来を切り拓く

 青年会議所が提供する機会の一つに出向があります。他市町村や他県で活動するメンバ ーと出会い協働することは、自分がより人間的に成長し、自身が住まう地域に力を還元し、 まちがより良くなる近道となります。
2018 年に山形ブロック協議会のアカデミー委員会への出向を打診された私は、出向を負 担と感じ担いを断りました。1 年後、閉講式で私は大きな後悔をすることになります。私が オブザーブをした目の前で、出向したメンバーが山形県内で新たな仲間との友情を育み、生 き生きとした表情で未来を語っているのです。以来、今日まで山形ブロック協議会・東北地 区協議会・日本青年会議所への出向の機会をいただき、日本中に志を同じくする仲間ができ ました。さらに、単年度制の毎年役割が変化していく中で、出向した仲間との再会があり、 継続的に友情を深めていくことができるのも魅力です。
出向は、自分の現在地を確認できる貴重な機会です。自分自身や地元を俯瞰して確認する ことができ、自分がどれだけ外で通用するのか、何が足りないのか、自分のまちには何が必 要かを発見できる可能性があります。一度しかないチャンスをつかみ、共に広い世界を見に いきましょう。

むすびに

地域社会の正しい経済発展を掲げ 1971 年に天童青年会議所が誕生してから、先輩諸氏の 弛まぬ努力により今日まで明るい豊かな天童の未来を信じ、数多くの運動を実現してきました。創立から50年以上、私たちの親世代も歴史と伝統を紡ぎ地域発展の礎を築いてきた からこそ、私もこの所信を記すことができています。
天童青年会議所は 2020 年に 50 周年を迎え、新たな歴史のスタートと意気込んだ瞬間、 社会情勢により先の見えない逆境に立たされました。しかし、青年会議所は今何が求められ ているかをメンバー一丸となって考え行動し、当時で実現可能な最大限の運動をメンバー 全員で悩みながらも実現してきました。私自身何度も活動制限の渦中に身を置いた中で、何 度も市民の気持ちが動いた瞬間を目の当たりにしてきました。今改めて思い起こしてみる と、メンバー全員が力強く前へ、口角をあげ OneTeam で突き進む天童青年会議所の底知れ ないパワーは誇らしいものでした。今、自信をもって言えます。天童青年会議所は、社会を 動かすことができます。

今、失敗しないでどうする
今、新たな世界を見ないでどうする
今、新たな仲間と出会わないでどうする
遠慮しなくていい、周りなんて気にしなくていい
自分が動けば、これまでの日常が変わっていく
かつてない冒険を、共にはじめよう

理事長所信

所信


公益社団法人天童青年会議所
2024年度理事長 片桐 一樹

はじめに

 これから 20 年後、皆さんの隣には誰がいるでしょうか。
今私の近くには大事な家族や同僚、仕事仲間がいます。そしてこれまで出会い、あるいはこ れから先の未来でつながる多くの仲間がいます。その輪の中には、大人になった私の子ども たちもいて、皆で肩を並べて、天童の明るい未来へ向けて共に語り合っています。この仲間 たちの多くは青年会議所の縁によって結ばれ、彼らを一生の友と呼べる、そんな人生を歩ん でいきたいと思っています。
2017 年、私は天童青年会議所に入会しました。当時の私は帰郷して間もなく、毎日目の 前にあることで精一杯で、とても天童の未来を考えるような人間ではありませんでした。入 会後は多くのメンバーから声をかけていただき、同期や先輩との新たな出会い、とにかく多 くの時間を市民やメンバーと過ごし、活動全てが楽しいものでした。その後、今日まで毎年 異なる立場を経験する毎に、人との新たな出会いがありました。時には、失敗を重ね何度も 事業を投げ出したくなりました。それでも仲間たちと支え合いながら活動していくにつれ、 いつしか「誰かのために」行動したいと思うようになりました。どんなに辛くて苦しい経験 だとしても、自分と仲間をそして未来を信じて行動し、最後には自分の中に未来への positive change が刻まれてきました。私にとっての青年会議所運動は、希望そのものです。
希望とは、誰かを信じられるということ
目の前の人間を信じられるという喜びを感じながら、今こそ明るい未来を信じぬき
好奇心をもって突き進もう

選ばれるまちを目指して

 天童市は、商工観光分野の積極的な取り組みや行政サービスの充実により、住みよさラン キングやふるさと納税額において全国で上位に位置し、日本各地から注目されているまち です。将棋といで湯とフルーツの里と呼ばれるように、地域に根差した資源は天童市に住ま う私たちの日常の中にあり、魅力に気づきにくいことがあります。地元の人々にとって当た り前でも、県外からは貴重と捉えられた体験は誰しもあると思います。この価値観の差にこ そ、新たな地域の魅力発信の可能性を秘めています。これまで天童市内で完結していた事業 を一度天童から飛び出して集客力のある土地へ持ち込み、まだ見ぬ多くの人々にこのまち の魅力を広く認知してもらう機会を創出します。
また、人口減少が進行する中で、今後は交流人口や関係人口の拡大がより重要となり、コ ンパクトシティを掲げる天童市は、関係人口の創出に最適な地域であると考えます。まずは 天童に関わる人々を増やし、関わった人々がまちを訪れ、訪れるうちに魅力的と感じてもら い、てんどうのファンを拡大します。特に、若い世代からの支持を重要視し、これからを担 っていく世代と共に天童市に関わりたい、住みたい、戻って来たいと思うまちをどうつくっ ていくか考える機会を創出します。

将棋の聖地、新時代へ

 織田藩が天童に城を移し家臣に将棋駒作りを内職として奨励した 1831 年から栄えた天童 の将棋文化は現在まで受け継がれ、将棋にこだわったまちづくりを展開してきました。天童 青年会議所も天童市、日本将棋連盟との共催で全国中学生選抜将棋選手権大会を開催して きました。40 年以上の歴史を重ねる過程で、「青少年の健全育成」「将棋人口の拡大」「地場 産業の発展」の理念のもと、全国大会における「中学三大大会」「将棋界の甲子園」「プロ棋 士への登竜門」と数々の異名をもつ伝統と格式高い全国の中学生が憧れる大会へ成長して きました。
また、本大会は三大大会の中で唯一、中学生棋士たちの交流が盛んであるという点も特色 といえます。全国各地から集まった選手たちが将棋に明け暮れ、互いに友情を育み、プロに なってからもライバルや友人として関係が続きます。これまで大事にしてきた中学生棋士 ファーストをより強く推進し、中学生時代のかけがえのない想い出となる大会を運営して まいります。
大会出場後プロ棋士となられた選手が、日本将棋連盟の審判団や大会サポーターとして 本大会を支援しています。将棋界から評価されているこの大会をより多くの人々に認知し てもらえる大会を模索します。各界関係者のご尽力で、天童市はいつしか「将棋のまち」か ら「将棋の聖地、天童」と呼ばれるようになりました。今年で第 45 回目を迎える記念大会 において、将棋の聖地ならではの進化した大会を実現します。

組織の顔

 天童青年会議所は結束の固い素晴らしいチームです。これまで築いてきた強いチームワ ークをさらに強固なものにし、長い世代に渡って継承していく必要があります。メンバーの 増加と共に各々の境遇も多様化しています。お互いの立場を理解し補い合い、一人ひとりの 居場所として天童青年会議所を選んでもらえる風土づくりを進めます。
一方で多様な価値観を受け入れながら、組織をルールのもと健全に運営していく必要が あります。市民から見られる立場を自覚し、組織の顔として規律ある組織運営を実現します。 運営メンバーが率先して各委員会をリードしまとめることで結束が深まり、正しさだけで はない、楽しさも重要視した組織を作ります。
また、これまで私たちは、社会福祉協議会との協定をはじめ有事に備えた協力関係を諸団 体と構築してきました。近年想定を超える自然災害が発生していることから、防災に対する 市民の関心が高まっています。万が一災害が起きた時、被害を最小限に食い止める減災の意 識も重要です。関係諸団体と顔の見える関係を深め、万が一の時には最も初動が早い、地域 の防災減災を先導できる組織を目指します。

共感の連鎖

 私たちが日々展開する運動は、市民から共感を得られているでしょうか。「誰かのために」 継続してきた青年会議所運動は確実に市民へ伝わっていると私は確信しています。今後共 感の輪をさらに広げていくことで、天童青年会議所のブランドというものが確立されていきます。
運動を作っていく中で、構想している事業がより市民へ届くにはどうしたらいいか、私た ちは参加者の権利を重視したロバート議事法に基づき議論を重ねています。そして、必ず参 加者総意のもとで数多くの決断を繰り返します。私たちは、ビジネスやまちづくりにおいて 重要な決断力を磨くことのできる環境に身を置いています。今後も青年「会議所」として、 一定のルールを設け、妥協なき議論を重ね、地域活性化や課題解決に寄与する運動が生まれる場を運営してまいります。
また、多くのプロセスを経て実行された事業が地域にどのように評価されたか、組織とし てどんな効果があったかを検証する機会が必要です。実行した事業を振り返ることで、市民 の記憶に残る運動となり、天童青年会議所が地域から求められる組織となるよう価値向上を進めます。
また、皆が想いをもって作り上げている組織や運動を市民に発信することも重要です。 SNSの多様化や発信のスピードが日々向上する中で、鮮度の高い情報発信が必要であり、 必ず市民に届くものでなくてはなりません。一方的な発信ではなく、市民の声やニーズを拾 い、双方向でコミュニケーションを図る組織を目指します。

連携によって生まれる新たな可能性

 これまで天童青年会議所は行政をはじめとする関係諸団体から信用をいただいているか らこそ運動ができています。持続可能な組織となるよう、今後は共に活動する機会を増やし、 更に信頼を重ねていく必要があります。特に、創立当初から他団体と互いを思いやる風土を 醸成してきた運動は、常に声の掛け合える関係性を維持し、将来に渡って協力関係を継続してまいります。
青年会議所運動は市民の意識を変革する目的で活動しています。市民の気持ちを動かす には、これまでの発信力に加え、JC 運動に対する共感が重要です。私たちの想いを人々に 直に届け、市民が今求めていることを私たちに届ける、対話の場を通して共感の輪を広げま す。市民と青年会議所、双方向でコミュニケーションを交わす機会を創ります。時代に即し た市民目線での事業を計画実行でき、まちの人々から私たちの行動を正しく評価される組織を目指します。
また、天童市内では私たちの事業以外にも市民の心を動かしまちの活気を創出する素晴 らしい事業が多く展開されています。私たちはこれまで構成される実行委員会メンバー、あるいはサポートメンバーとして各事業に携わってきました。コロナ禍が明け、ようやくお祭 りをはじめとする集客を想定した事業も本格的に再開されている中、各事業へ能動的に参 画し、各諸団体と強い協力体制を構築します。

憧れの青年経済人となれ

 地域を先導するべく、私たちはまず人として成長することが重要です。人として成長して 初めて、リーダーへと進化することができます。青年会議所を卒業する 40 歳という年は、 四十不惑(しじゅうふわく)といわれるように、自己の学びを絶やさず、惑わず進むべき道 を確信する人生の新たなスタート地点です。青年経済人として、また JAYCEE として、自 分の可能性を広げる学びの機会を創出します。
また、40 歳までの限られた時間で、共に学ぶ同志の存在は苦しい時の大きな支えになり ます。より多くの青年経済人に出会い耳を傾け、まちをより良くしたいという志を同じくす る新たなメンバーを組織一丸となって拡大してまいります。数多くの想いを集めることが できれば、必ずまちを変えられる運動をつくることができます。
迎え入れた新たなメンバーの資質向上を図り、互いに切磋琢磨し友情を育む環境づくり も重要です。青年会議所が提供する多くの機会を確実に掴んでいくことで、これまでとは何 かが違う自分を実感できます。自己成長を遂げたメンバー同士が、次は他の誰かに成長の機 会を与えられるよう、会員の意識向上を図る機会をつくってまいります。

かつてない未来を切り拓く

 青年会議所が提供する機会の一つに出向があります。他市町村や他県で活動するメンバ ーと出会い協働することは、自分がより人間的に成長し、自身が住まう地域に力を還元し、 まちがより良くなる近道となります。
2018 年に山形ブロック協議会のアカデミー委員会への出向を打診された私は、出向を負 担と感じ担いを断りました。1 年後、閉講式で私は大きな後悔をすることになります。私が オブザーブをした目の前で、出向したメンバーが山形県内で新たな仲間との友情を育み、生 き生きとした表情で未来を語っているのです。以来、今日まで山形ブロック協議会・東北地 区協議会・日本青年会議所への出向の機会をいただき、日本中に志を同じくする仲間ができ ました。さらに、単年度制の毎年役割が変化していく中で、出向した仲間との再会があり、 継続的に友情を深めていくことができるのも魅力です。
出向は、自分の現在地を確認できる貴重な機会です。自分自身や地元を俯瞰して確認する ことができ、自分がどれだけ外で通用するのか、何が足りないのか、自分のまちには何が必 要かを発見できる可能性があります。一度しかないチャンスをつかみ、共に広い世界を見に いきましょう。

むすびに

地域社会の正しい経済発展を掲げ 1971 年に天童青年会議所が誕生してから、先輩諸氏の 弛まぬ努力により今日まで明るい豊かな天童の未来を信じ、数多くの運動を実現してきました。創立から50年以上、私たちの親世代も歴史と伝統を紡ぎ地域発展の礎を築いてきた からこそ、私もこの所信を記すことができています。
天童青年会議所は 2020 年に 50 周年を迎え、新たな歴史のスタートと意気込んだ瞬間、 社会情勢により先の見えない逆境に立たされました。しかし、青年会議所は今何が求められ ているかをメンバー一丸となって考え行動し、当時で実現可能な最大限の運動をメンバー 全員で悩みながらも実現してきました。私自身何度も活動制限の渦中に身を置いた中で、何 度も市民の気持ちが動いた瞬間を目の当たりにしてきました。今改めて思い起こしてみる と、メンバー全員が力強く前へ、口角をあげ OneTeam で突き進む天童青年会議所の底知れ ないパワーは誇らしいものでした。今、自信をもって言えます。天童青年会議所は、社会を 動かすことができます。

今、失敗しないでどうする
今、新たな世界を見ないでどうする
今、新たな仲間と出会わないでどうする
遠慮しなくていい、周りなんて気にしなくていい
自分が動けば、これまでの日常が変わっていく
かつてない冒険を、共にはじめよう